アル中クライマーの忘備録

好物は酒と山と岩。

クマガ谷左俣(大野川水系)

2020.08.13 クマガ谷左俣(大野川水系)-本谷山

クマガ谷は2年前に右俣右沢を遡行して以来だった。

当時の登攀も印象深いものであったが、今回は地元で"本谷"と呼ばれるこのクマガ谷左俣。その名の通り本谷山へ突き上げるこの谷を遡行した。

九州の沢と源流(吉川満著)によると"奥岳渓谷一の遡行価値と魅力的な自然"と記されている。

 

 

 

06:30入渓。

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しばらく単調なゴーロを歩く。はっきりってつまらない。飽き飽きしてくる。

ほんとに奥岳一の遡行価値かよ・・・って愚痴を募らせながら歩くw

 

一時間ほど淡々とゴーロ帯を歩き、高度/距離を稼ぐ。

 

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飽き飽きしてきたころに小滝が出てきた。頭から水を浴び爽快だ。

 

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入渓して約2時間。ようやく、くの字20mに出会う。

催してきたので相方にロープを捌いてもらっている間、200gの軽量化に成功した。

 

1ピッチ目相方リード。釜をヘツれるかと思ったが、思いのほか悪く泳いで取付く。

難度は大したこと無いが、プロテクションがとりずらい。

中段まで上がり、立木でピッチを切る。

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2ピッチ目。私リード。

落ち口までは階段状で快適に登る。落ち口を直登しようと試みるも断念。右岸のガリ

から滝頭にでる。

 

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ビレイ点から。フォローの相方が見えるだろうか?

 

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そこから小滝をいくつか越え、1時間ほどでトユ状の滝に出会う。

ラバーソールのフリクションに感謝しながら快適に突破。

 

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上部では気持ちの良いシャワークライミングであった。

 

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快適な小滝をどんどん超えてゆく。下部のゴーロ帯が嘘のように楽しい。

 

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15mの滝?

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滝行w

 

下部は右手から。テラスをトラバースして左手側を登ろうと思ったが・・・

右岸の草付きがめちゃくちゃ悪い。落ちたら割とやばそうだったので、念のためロープを出して高巻く。

 

スラブ状8mほどの滝。私リードで取付く。

1段目のスタンスに立ちこむ。左岸のブッシュとの間にトライカムを決める。

2段目のスタンスに立ちこむ。ここまでは快適だ。しかしホールドがぬめる。

次に足がおけそうなスタンスがなかなかない。ドロドロのブッシュの中にカムの#1を決める。

写真左足のスタンスには立ち込めそうだ。だがバランスが悪い。左手でアンダーを決めながら、右足をじわじわと上げ、体を起こすと、落ち口にスローパーがある。何とか立ち込むことが出来た。めちゃくちゃ痺れた。

この滝、写真では見れないが(取り損ねましたが)2段になっており、上段はトイ状。快適にステミングで上がることが出来た。

 

 

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痺れる登攀の後はまるで日本庭園のような釜で癒される。

 

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原生林がとても美しい。残念ながらニホンカモシカを発見することはできなかった。

ここから徐々に水が細くなる。尾根に上がって縦走路を目指す。

 

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地味~~にきつい登りを終え、本谷山へ。

 

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得てして沢の下山は単調になりがちだが、いやはやさすがは九州屈指の縦走路。きれいな展望に癒されながら下山する。

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アサギマダラがお出迎え。

 

尾平越にデポした車を回収して行動終了。

 

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行動時間8時間。(遡行6時間、下山2時間半)

装備8.6m 30mロープ、カム、トライカ

未使用:ハーケン、ナッツ

 

 

国見岳:上の小屋谷(耳川水系)Day2

前回記録を書いてしまって約1カ月ほどたってしまったが、その続きを記そうと思う。

takayama.hatenadiary.com

 

05:30頃起床。朝食を取る。献立はカレーメシと10種の品目味噌汁。アマノフーズは偉大だ。

 

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ビバーク地。背後に滝を望む絶景スポット

06:30頃出発。沢もほぼほぼ詰めあがり、25m滝を突破すれば実質終わりのようなものだ。以下、写真メインで記そうと思う。

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寝起き一発目の小滝。右岸から快適に上がる。

 

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快適に登れる小滝が連続する。

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2段10m?

パッと見悪そうに見えたが下段は左手側。上段は右手側から登れそうだ。


 

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さすがは12クライマー。ノーザイルですいすいと登っていく。自分は最後の乗越にビビってやや手間取る。

 

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25m滝

本日のメイン25m滝。中部までは行けそうだが、落ち口の水圧に到底耐えれそうもないので巻くことにする。

左岸が傾斜が緩く、楽に巻けそうと思った。木々の奥に白っぽい岩峰が見えるのが懸念されたが・・・・

 

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ずぶずぶの高巻き。バイルや補助ロープを出しながらなんと登る。

 

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チラ見えしていた岩峰にぶち当たり、詰みましたwwww

川床まで下りて対岸を巻く。

 

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ソマ道があり、快適な高巻きだった・・・。さっきのドロドロの高巻きは何だったんだろう・・・という気持ちになりました。

 

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25m滝の巻きを終えると、渓相は一転して穏やかに。ここから林道まではさほど距離がない。快適な沢歩きでクールダウン。

 

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高巻きを終えて30分ほどで林道(登山道)に至る。

ザックをデポし、サコッシュ一つで国見岳山頂を目指す。

 

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緑がとても美しい。木が生き生きとしている。

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1時間強で山頂へ。

2日ぶりの電波で各々生存報告をするw

下山は走りながらで30分程度でデポ地点へ戻る。

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雷坂へつながる林道。緑が美しく癒された。

 

後はひたすら登山道下り。

駐車場までもう少し・・・というところで道がとたんに不明瞭になる。

やぶを漕ぎ分け何とかゴール。

 

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GPSログ

使った装備

50mロープ、カム、ミニバイル

未使用

ハーケン、ナッツ

 

行動時間

Day1:12時間(釣り含む) 7.4km,累計高度(+)1152m (-)557m

Day2:7.5時間 12.3km 累計高度(+)1158m (-)1733m

国見岳:上の小屋谷(耳川水系)Day1

日本三大秘境の椎葉村から九州山地最高峰国見岳に抜ける耳川水系,上の小屋谷を遡行してきました。

普段あまり記録とか書きませんが、遡行された最近の記録もあまり出てこないので書こうと思います。

 

7/29 1800頃

いつもの相棒A氏をピックアップし、大分から57号線-阿蘇を抜け、椎葉村まで車を走らせる。先日の九州北部豪雨の影響で道が崩落していないか心配だったが、入渓点までは崩落個所なし。快適に向かうことが出来た。

23時ごろ入渓点(平瀬橋)到着。廃屋横に車2~3台ほど泊めれそうなスペースがある。ちなみにDocomoはギリギリ電波が入った。星明りの元2本ほどビールを飲み、就寝。

軽バン最強なのでは。

 

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7/30

0600頃起床の予定だったが思いのほか夜が明けるのが早く、5時過ぎ頃に起床。

シュラフの中でしばらくごそごそする。0530頃に目が冴えてきて起床。付近を散策する。

水量は多い。続いていた雨の影響か、普段通りの水量がこうなのか。

普段通っている大野川水系また異なった雰囲気だ。残念ながら私の語彙力では表せない。ぜひ現地にいって感じてほしい。

 

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入渓点横の本流(耳川水系)

 

 

もう一人の相方0620頃もう一人の相方K氏が到着。ガチャやロープの打ち合わせをし、

0640頃スタート。平瀬橋から入渓するとすぐ堰堤がある為、左岸からの林道を行く。

が、道がはっきりしない。踏み跡のような、獣道のような・・・。地形図とコンパスを頼りに不明瞭な道を歩き、30分強。もっと上部まで歩いてもよかったが暑さに耐えきれずに0720入渓。美しい渓相に思わず声が上がる。

入渓のこの瞬間がたまらない。

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さて、この上の小屋谷。日本100名谷に選ばれており、九州を代表する谷である。

厳しい登攀や困難なゴルジュこそないが、遡行距離は約10kmに及び、九州本土ではトップクラスである。岩はラバーソールのフリクションがよく効き、快適に攀じることができる。

 

記録によるとショルダーしたり、空身で登ってともあるようだが、今回はリードで5.12を登る登攀力のそろったメンバー(自分は5.11です・・・。泣)。ガンガンヘツってガンガン登って順調に歩みを進めていく。

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テクニカルで楽しい登りを続けながらも、時折出てくる絶景に癒される。

振り返ると光芒が美しい。2日ほど前に梅雨明けが発表されたばかりでよいタイミングだ。

順調に歩みを進め、標高975m付近。左谷の分岐を越え水量が落ち着いてきた頃合いで竿を出す。

 

大きな釜はなく、小さな釜が連続しているこの沢。ルアーは厳しいか。

直径2メートルほどの釜にルアーを投げてみる。良型がチェイスしてきた。20後半はあるだろうか?もう一度ルアーを投げるがアピールの時間が足りずに食わせきれない。魚は水中の岩陰に身を隠した。ミノーからスピナーに交換。じわーーーと岩陰の前にスピナーを通した瞬間、食いついた。引きが強い。確実に20後半はある。高ぶる興奮を抑えながらなんとかランディング。30cmのイワナを釣り上げた。

九州で数少ないイワナの釣れる沢だ。

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その後もちょくちょく竿を出しながら幕営地まで歩みを進める。

 

12mの滝に出会う。A氏リード。K氏ビレイ。俺氏撮影w

A氏にフィックスを張ってもらい、アッセンダーで登る。

見た目以上にホールドがしっかりしており、快適に登攀することが出来た。

鹿児島のバリバリの山岳会のK氏がいらっしゃるのに、A氏がリードして、私がK氏のセカンドビレイをするというよくわからない状況。

 

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 その後30mの滝を高巻く。

 

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大滝の大物を狙う



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良いサイズが2匹連れた。

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焚火で魚を焼き、いただく。

"沢泊で川魚を焼いて食う"というのを2年ほど前から目標にしていたが、ようやくかなった。

焚火を囲いながら、飲むお酒はおいしい。

 

-続く-

 

takayama.hatenadiary.com


 

落ちました[経過]

前回の沢で落ちました(https://takayama.hatenadiary.com/entry/2020/07/16/183639)

 

7/16墜落。腰に痛みあるも激痛ではない。下山後シップを張って過ごす

7/17痛みは先日と変わらない。仕事のため病院には行けず。

7/18腰の痛みは変わらない。首がやや痛む。整形外科に行くと頸椎捻挫(むち打ち)、腰部打撲と診断される。薬(レバミピド錠、エペリゾン、ロキソプロフェンNa)とシップを処方される。安静にしろとのこと。

7/21再診。首、腰共に痛みは引いてきた。診てもらったところ「だいぶ軽度。痛みがなければクライミングしてよい。」との事。速攻ボルダリングに向かう。登ってるときに痛みはないが着地の衝撃が怖い。普通に一週間登ってなかったから登れなかったw

7/23ほぼ痛みはない(ちょっと肩こりひどいかな?ぐらいな感じ)ので、リードしてみる。全然普通に登れた。

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ハンマーの携行方法

拝啓。来年の私へ。

忘れないように沢登りのハンマーの携行方法を書いておきます。

 

買ったもの

・ハンマーホルスター(エーデルリッド)

 特にこだわりはなかった。近所の山道具屋に置いていただけ。

・リーシュ(トップ工業 スリムセーフティーコード)
https://www.toptools.co.jp/products/284/

高所作業の工具落下防止用。中にワイヤー入り。
取付け可能重量が0.5kg以下なので自分の使用しているチコ310gに適正。

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もともと細引きを付けていたが、絡まるし収納しにくいし・・・という事でホームセンターを徘徊していたところ発見した。

絡み防止のスイベルもついているし、ワイヤーも入っているしでよさそう。

やや高い(1000円ほど)だが、購入。

 

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次に、ハンマーホルスターに謎のパーツがついていたので細引きを通してみる。

専用のハーネスだったらこれで連結できるのでしょうか・・・?

 

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ハンマーのスピッツェにリングを通す。

 

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利き手側のギアラックの間にハンマーホルスターを取り付ける

 

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先ほどハンマーホルスターに通した細引きにカラビナ側をかける

 

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拡大図

 

 

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収納したときはこんな感じ。余分なたるみが無く、よい。

ホルスターに入れるときに少し引っかかりはあるが、そこまで気にならない。

 

この方法で先日沢に入って、ハンマーを使用したがコードの長さも十分で結構よかった。

落ちました。

2020/07/16

落ちました。

 

自分の周りで沢登り中の事故が2件立て続けにあり、十分に気を引き締めていたつもりだった。でも落ちた。戒めと反省ために書きました。

 

場所は某沢。未明頃に降った雨の影響で水量は増えていたものの、遡行に支障があるほどではなさそうだ。

4時間ほど遡行をし、全行程のちょうど中頃。8メートルほどの滝に出会う。

左岸のスラブに細いリスがある。4メートルほど登れば棚になっており、そこまで登れば簡単そうだ。

取付きの水深はひざ下ほど。

ナッツの1番を決める。アブミは持ってきていなかったので、スリングをアブミ代わりにし、乗り込む。続いて2つ目のナッツを決めようとするが、ややフレアしていてナッツが決まらない。ハーケンを打つが絶妙にリスの幅が広く、効きが甘いと感じた。根本までハーケンを打ち込み、先ほどと同様にスリングをかける。これに乗り込めばカムを決められそうなクラックがある。ここまでまともなプロテクションは取れていない。

ナッツからハーケンにジワーっと体重をかける。抜けない。

さらに体重をかける。抜けた。ナッツ側のスリングに体重を戻そうとしたがバランスが崩れた。スリングが足に引っかかり、体が反転した。ビレイヤーがスポットしてくれ、頭部からの墜落は免れた。

50cmほどの川底にザックから落ちた。ハーネスのパット越しに水中にあった石に腰をぶつけた。落ちた距離は2mほどだろうか?激しい痛みはない。が、歩いてるとやや痛む。

これ以降の遡行は迷惑をかけると思い、撤退を進言。(同時に雨足も強まってきた)

傾斜の弱い尾根を巻き、滝を迂回して林道をへて、なんとか自力下山することが出来た。

 

 

事故に対する警戒もあったし、"自分だけは大丈夫"との認識もなかったつもりだった。でも発生させてしまった。パートナーとも"今日は安全第一で"と話して入渓した。

なのに起こしてしまった。判断ミス、技術不足であった。

恥ずかしい限りですが、記録として。

 

撤退

自分がリーダーの山行で、初めて撤退の判断を下したので、その顛末を。

先日の記事どうやって山を覚えたか? - 山日記の中で"自分が登山技術を覚えた順番は"無事に生きて帰ってこれること"が先行した。" と書いた。

 

今回「経験無いけど沢登りしていみたい!」という方を連れていくことになった。

相方の知識技術経験がわからなかったため、通い慣れている沢を選択した。

開放的で美しい渓相の沢で危険個所はほぼない。登攀も3m程度の小滝がある程度で、フォールしてもドボン程度だ。さらに言えばすぐ真横に登山道があり、エスケープが容易なことである。そんな沢に連れて行った。

 

入渓してから4時間ほどワイワイと遡行していたが、メンバーの1名がゴーロで転倒。右足を負傷した模様。転倒後すぐには立ち上がれず、話を聞くと膝と足の甲に痛みあり。

沢の水で冷やさせる。10分ほど冷やし続けるも痛みは引かず、若干腫れが出てきた。

ここで"これから大した難所もないし、行けるところまで行こう"と"万全をとってここで下山しよう"の2つの選択が頭をよぎった。

そのメンバーは私より大柄で、もし悪化した場合、到底担ぐことはできない。そして何より負傷した状態で遡行する必要があるのか?と考え、「ここで撤退。すぐ脇の登山道に出て下山する」と決断した。

負傷したメンバーの観ていると、足をかばいながらなら歩ける様だ。負担を減らすために荷物は私が担いだ。下山路はよく整備されており、30分ほど歩いて入渓点にたどり着くことが出来た。

 

そして先ほどそのメンバーから連絡があったが、骨折と靭帯損傷だったとの事。

撤退の判断をしてよかった・・・。と思いました。

 

で終わったらただの感想なので、もうプラスアルファでリスク分析みたいなものを。重大遭難にならなかった要因としてよかった点の第一は計画ではなかったかと思う。

沢から数分で登山道に戻れるところでなければ苦戦が予想された。(その十数mでも痛がっていたので。)本当に登山道沿いの沢にしておいてよかった。

また、下山の遅れ/停滞に備えての装備(ヘッドライト、ツエルトetc)を持っていたため精神的な余裕があった。最悪鎮痛剤を飲ませて1晩ビバークか?とも考えた。

 

細かい反省点ではあるが、折り畳み式のトレッキングポールをいつもは携行しているが、今回に限って携行していなかった。あればもう少し楽させてあげれたのかと思う。

 

登山だけでなく仕事においてもですが、イレギュラーの発生時はいかに冷静に対処し、自分が何ができるか?もっとも生命の安全を確保するには何をすればいいのか?

を考える能力が必須と感じた。それと重荷を担げる体力。ライト&ファストという考え方があるが、自分は割と逆の考え方をしている。山(特に沢登りなど不確定要素が多い山行)に入るときはツエルト、非常食、ロープ、無線機等々の装備を担ぐようにしている。それらの安全装備を担いで歩く体力、登攀力がなければそれは自分の実力に対して見合っていない山であるとの考えをしている。

もちろん先鋭的な登山であればギリギリまで装備を削るという事もあるが、とっていいリスクととっていけないリスクの判断。挑戦と無謀は違うという点は強く意識している。