先日の剱岳の帰路で
「そういえば来週22日休みなんだけど」
との会話から決まった鉾岳(雌鉾)/大長征ルート。
ちなみに大長征ルートというルートがあるわけでなく、下部6Pは"美しいトラバースルート"、トラバース2Pを経て、大滝左ルートの上部2Pに接続している。
雌鉾の約300mのどでかい花崗岩のスラブを左下から右上へ抜けていくルートだ。
なお、この周辺のエリアはランナウト系で有名?で、wikipediaにも記載されている。
国内のフリークライミングエリアでこうしたランナウトに極端なものは少ないと言われているが、宮崎県北部の花崗岩のスラブの岩場(比叡山、広タキスラブ、雄鉾岳など)では、20メートル以上もランナウトするようなルートが珍しくない。大きくランナウトするルートは恐ろしいが、それだけに完登した際の喜びは単なるスポーツの域を越え、むしろ冒険のそれに近くなる。
鹿川キャンプ場駐車場(07:30)→取付き(08:05/08:20)→中央バンド(10:45)→終了点(12:25/12:40)→駐車場(13:40)
前日20:00夕食を取り、取り付き付近の駐車スペースで仮眠をとる。
軽バンに買い替えてよかったと本当に思う。
06:30頃起床。予定のはずだったが05:30頃に目が覚める。気温は低い。10度前半だろうか?シュラフにもぐり、時間がたつのを待つ。朝食を取りコーヒーを飲んでいると鹿児島から3名の仲間が到着。コーヒーを急いで飲み干し、鹿川渓谷キャンプ場の駐車場へと車を走らせる。10分ほどで到着。
僕「ヌンチャク何本持っていきましょう?」
K氏「(相方の3本に加えて)5本あれば十分じゃない?ボルトないし。」
僕「(ですよねえ。)」
という事で装備を整え、駐車場出発。
ちなみにカムの0.3番が欠番していたことをとても後悔しました。持って行っとけばよかった。
駐車場横の舗装路から取付きに向けて歩みを進める。目的の鉾岳を望む。
靴を履き替え、クライムオン。
一見すると下部はねてるし、大したことないな~~。と思っていましたが・・・
案の定ランナウト。1P30~40mほどだがボルトが2,3個しかないし、カムを決めれるようなクラックもない。リードとフォローの気負いが違いすぎる。
小指の先ぐらいしかないようなスタンスや、微妙な起伏を探して足を置いていく。
ここのトラバースが一番緊張した。もし落ちたら・・・・大根おろしだ。
フォローもリードも関係なく落ちたら卸されるので緊張が半端なかった。
ちなみに相変わらずここも2~3本ぐらいしかハンガーはありませんでした。
いやらしいバンドのトラバースを越えると大滝左ルートに接続する。ここからが一応核心ピッチ(自分はトラバースが核心に感じた。)ピッチグレードは5.7(V+)。
今までに比べると比較的ボルトが打たれている。とはいうものの下部~中部に2本、核心ムーブ手前に1本あるだけだが・・・。程よくフレークがあり、2本ほどカムを決めることが出来たのは良かった。
そのあとはなんてことないトラバースを経て、クラックを登り終了点に至る。
バンド(左)を進むと、フィックスロープが設置されている。
これをたどると30分ほど取付きへ。もう30分ほど歩いて駐車場。
所感
常々鉾岳はランナウトのイメージがあった。グレード的には大したことないが、支点のとれなさから緊張して体がこわばってしまう。
今回はパートナーから「核心ピッチはリードしてほしい」とのことだったので、やらせていただいた。小指の先のような小さいスタンスに乗り、極薄のカチに指をかけジワリジワリと高度を上げていく。核心の乗越?の手前でカムを決め、またボルトがあったため思い切ったムーブを出すことができた。
もしもっと支点があれば(精神的に)簡単なんだろうとは思うが、それだとこのルートの魅力が大幅になくなってしまうとも感じた。でも、あと1年はランナウト系のクライミングは良いかな・・・。って思いましたw
あとミウラーは偉大。粒に乗れる。
使った道具
カム:0.75,1,3.(0.3を持ってくればよかった!)、ヌンチャク、120cmスリング×2、ヌンチャク8本