アル中クライマーの忘備録

好物は酒と山と岩。

20代をどう生きたか。

君たちはどう生きるか?」昨年、映画化されました原作・映画はみられましたか?

私は機を逃して、見損ねました。

 

さて、早いもので30歳ももう目の前。こういう機会もないと過去は振り返らないので、「20代をどう生きたか?」振り返ろうと思う。

一言でいえば激動。就職、結婚、そして山。

狂ったように山に行き、気づいたら結婚をしていた。

学生の頃の自分は、将来の自分がこんなにもアクティブになっていることを想像できただろうか?今の自分が在るのは過去の選択と経験の積み重ねと思っているので、1年毎に辿って行こうと思う。

誰のためにもならない駄文に長文、こんなの読むんだよという気しかしない。

 

20歳(2014~2015):分岐点①父の死と就職。

いきなり重たいですけど、一番大きいのは父親の死。在学中から通院・闘病生活。

国家試験や就活をしつつ看病する日々。精神的な持病を拗らす母。

まもなく30歳を迎えますが、精神的に一番しんどかったのはこの時期だったかもしれない。衰弱していく父、やつれていく母。姉は大学進学しており県外。

とはいえ自分もまだ19歳。できることは限られる。

ちょうど今の会社に内定をいただいた時期だったが、そういった家庭の事情もあり内定辞退させていただこうかと思った。そんな中父に「お前の人生だ。その会社に就職しろ」と言われたのは今でも覚えてる。癌が全身に転移してしまっており、11月に他界。せめて俺が卒業するまでとギリギリまで働いてくれた父に感謝しかない。

父が亡くなってから、それからどうやって生きていたかは正直ほぼ記憶にない。

ただ、精神的にだいぶしんどく、内定もらった後は割と不登校気味になっていた。

せめて成人して就職する姿を見せたいとか、酒を一緒に飲みたいとか子供心ながらに思ってたなぁ。

父の死も当然ながら、一番しんどかったのは親戚や周りの人々からの「お前が頑張れ。しっかりして家を支えろよ」という言葉。

いや、まだ学生だし、生前も自分なりに色々しましたよ。父の後追いをしようとした半狂乱の母を何度も止めたし。学校やバイトから帰るたびに「二人とも生きてるかな?」と安否確認の日々。それを経て父親の死。

今思えば自分の人格形成の大きな点はここにあるのかなと思う。

何か悲しいことがあっても「仕方がない」と割り切るだけで悲しいという感情はほぼ無くしたし。その代わりに、「与えられた環境で何とか生きる。」という力は身に付いたように思う。

 

時はたち、鹿児島の専門学校(無線科)を卒業し、社会人として新たな人生を進めることになる。

普通はじめての一人暮らしと言えばホームシックになったりしたりするとも聞くが、一切そんな感情はなかった。むしろようやく解放されたなという気持ちの方が大きかった。

さて、船舶関係の弊社の事業所の大半は太平洋ベルト上(博多、北九州、広島、大阪湾、伊勢湾、東京湾など)にある。その中で私が配属を命じられたのは"大分県"

辞令をいただいた時には地理感も曖昧で「ん?大分?福岡の横よね?あまり大きい港のイメージはないけど・・・」と思ったのを今でも覚えている。

 

ちなみに、今の私からイメージはつかないかもしれないが当時の趣味はネトゲとアニメ。深夜までボイスチャットを繋ぎゲームをしているようなタイプだった。

まさかこの配属がここまで私の人生を大きく変えるものとは思いもしていなかった。

 

社会人1年目で中古で車を買い、自動車税やらローンやらでカツカツだった日々。今までで一番の貧乏生活。食費は2万代で凌いでいた気がする。

 

また、そこまでどっぷりアウトドアにハマっていたわけでなく、あくまでまだぴちぴちのハタチ。お酒も飲みたいお年頃。ただ大分に一切の友人がいなかった僕はmixiの社会人飲み会サークル的なのに入り、飲み歩く。そのツテで知り合った知人がバドミントンをしており、バドミントンを始めることになる。

あ、学生のころから付き合っていた彼女と別れたのもこのころだった気がする。

 

 

21歳:分岐点②アウトドア(キャンプ)を始める

まだ普通に街の人として生活をしていた時期。

デスクワークの日々。当初は学生の時と同様、ネトゲにいそしんでいた。

しかし、毎日狭い事務所でモニターとにらめっこ。外で遊びたい!!

職場のOJT担当の先輩(いまや素晴らしい山のパートナー)と「よし、キャンプをしよう」と延岡のキャンプ場へ。そして、キャニオニング。これが僕の山人生の始まりであった。今思えばキャンプ場は傾山の麓の中岳キャンプ場。キャニオニングは藤河内渓谷であった。今でも好きな釣りや沢登りでよく行くエリアだ。

初めてキャニオニングのツアーに参加し、港町で育った私にとって、泳ぐ=海。川で遊ぶのはこれが初めてだった。渓谷の森の美しさ、水のきれいさに感動。ガイドさんが言っていた「ここら辺は花崗岩の一枚岩だよ。」という言葉の真意に気づくのにそう時間はかからなかった。

また、バドミントンサークルにいくつか入り。(最大週3ぐらいで練習してたかも?)

このころからmixiのサークルからは縁を切り、バドミントン仲間と飲みに行ったり釣りに行ったりとしていた。ぼちぼち大会にでてみようと思うが結果は惨敗。多分バドミントン向いてない笑

あと、バドミントンサークルつながりで彼女ができる。

彼女とデートをしたり、ライブに行ったり、キャンプにいったり。

ここまではちゃんといい感じの20代。

しかし、キャンプを重ねていくうちにだんだんを自然にのめりこむように。そして芽生えたのは「山に登りたい」という気持ち。

数回冬のソロキャンプを経験(時代先取りしてね??)した私はおそらく根拠の無い自信があったのだろう。職場の先輩K氏と冬の由布岳に登ることに。(2015/1)ちなみに二人ともまともな登山経験はありませんw

今思えば地図も読めない、チェーンスパイクも持ってないしで中々無謀な登山者ですね。ハンセイシテマス。ただ、鹿児島の出身の自分にとって雪景色は初めてで「あ、山に登ったらこんな素晴らしい景色がみられるんだ」と感動した。

ちなみに初登山のくせにブロッケン現象を見ることができた。そりゃはまりますね。

それからも由布岳やくじゅうといろいろ山に通っていた。

左:傾山の麓でキャンプ 右:はじめての由布岳



22歳:分岐点③登山沼に嵌り始める・・・

バドミントンに釣りに登山に、いろいろと遊びまわっていた時期。

今も使っているストームクルーザーはこのころ購入。雨でも登りにいっていたw

初めてくじゅうで紅葉を見たのもこのころだった。(2016/10)

いままで紅葉に感動したことはなかったが、山全体が赤くなっていて初めて紅葉に感動した。

また、このころから同棲が始まる。

左:山の紅葉に感動する 右:少しずつ装備が増えていくw



23歳:分岐点④クライミング志向に。

どっぷりと山にはまり始めたとき。

冬の冷たい雨でも登ったりしている。仕事も慣れてきたころでこのころのモットーは「よく働きよく遊ぶ」

山岳テントを購入する。大崩山の岩峰に見惚れる。下山で膝を痛める・・・・。

腸脛靭帯炎でした。筋力不足と歩行技術のなさからでした。

しばらくリハビリ生活。

山に通う日が続く。くじゅうにてテント泊デビュー(2017/10)

また、ロープワーク(ハイカー向けセルフレスキュー)を受ける。

 

冬靴・アイゼン・ピッケルを購入。K氏と初冬の傾山に登る。

当時はまさかこんなにも傾山に通う事になるとは思いもせず・・。(ちなみにアイゼンピッケルを使うところはなかった笑)

んで、冬の観音岩でドラツー。これまでに人工壁(リード)や、ハイキング向けのロープワーク講習を受けていた記憶。このころは「山登りでロープつかうって、どういうところに行くんだろう・・・?」というレベル。

ロープを使い始める。このころから歯車が狂い始める

また、そのころに外岩(本匠)デビュー

ハードシェルを買い、冬の石鎚へ。九州で何度も冬は登っていたが石鎚は初。

半分近くうもった鳥居にわくわくする。ちなみにこの辺りはすべてK氏と。

(二人とも初心者なのでお互い試行錯誤しながら山に通っていた。今思うとこのころからちゃんと撤退ラインを決めて計画を立てていた。だから多分今も生きているんだとおもう。)

大雪警報の中、当時の自分のフル装備(メット・ハーネス・30mロープ・ATC)をもって冬の由布岳西峰に。かろうじて登れたが、下山は鎖が凍結していて持てなかった。

初めて現場で懸垂下降をすることになる。ちなみにソロ。若さだねえ・・。

多分今なら懸垂しなくてもクライムダウンできると思う。

 

そして、インスタで幅を利かせていた(?)登山サークル"ハードハイカーズ"に加入させてもらうことになる。分岐点⑤

山登り同級生のK山さんとは冬の石鎚や大山へ。

ハードハイカーズに冬の根子岳、大山北壁に連れて行ってもらう。

ちなみにこのころは「かついでなんぼ!」のメンタルだったので冬壁にビール6本持って行ったしコーヒーミルも持って行った。重さで足つり、喘ぎながら登ったのはよく覚えている。今ならたぶん半分の重さにできる笑

きつかったけど、あの時の北壁は素晴らしかったなぁ。(2018年3月)

左:根子岳 右:大山北壁(滝沢尾根)



24歳:沢登りデビュー

ハードハイカーの方々に連れられて沢登りに。

おんぶにだっこは嫌だったので(?)ひとまずソロで一番簡単そうな沢に。

選んだのは祖母山の黒金谷。見た目「行けるでしょ」な小滝もなかなかスリリング。当時の私よ。沢デビューは人と行きなさい。

沢の楽しさを知る。

それを筆頭に祖母山や、椎葉や祝子など、いろんな沢に行ったなぁ。

また、秋には鷲ヶ峰、冬には八ヶ岳(赤岳主稜・峰の松目沢)など色んなバリエーションルートに連れて行ってもらっていた。

赤岳主稜や、ジョウゴ沢など冬季登攀も始める。

25歳:沢にハマる。マルチデビュー

借りてばっかりだったカムを買う。当時はまだクラック思考ではなく、沢登りのために。なんで1~3を買ったんだろう(笑)

とりあえず隙間という隙間にセットして練習していたw

自立して沢に行き始めるようになったのはこのころからかな。

少しずつ「連れていく山と、連れていかれる山」の違いを意識し始める。

そして、ハードハイカーが諸事情により解散(?)するw

初級沢なら自分リーダーでも行ける様になったころなので、平日組をナンパして

沢に通うようになる。

 

夏には北アルプスデビュー。Twitter仲間のコタオ氏と縦走。

九州の山しか知らな自分にとって衝撃だった。

また、このころから「海外に行きたいなあぁ」とふわっと思うようになり、1年ほどワーホリで休職するぞ!と会社に根回しをしていた時期w。

 

そしてマルチピッチデビュー。

ここまで書いてて、ようやくマルチデビューかい!という気持ちw

K山さんにニードルに連れて行ってもらう。

元々沢から始めたので、クライミング的な不安はあるものの支点構築や懸垂は臆することなく望めた。

K山さんはもともとクライミング派で、自分は沢から始めたという感じだったので、

マルチはK山さんに連れられ、沢は自分が案内してと持ちつもたれつのような感じで色々行ってていた。

沢に、アイスに、マルチに、オールマイティーに色々登っていたころ。

何もかもが新鮮で楽しかった。

また、同棲していた彼女がキャリアアップ(医療事務➤看護師になりたい)とのことで、宮崎の学校へ。遠距離スタート。分岐点⑥

左:初めての北アルプス 右:初めてマルチ!

26歳:新型コロナ。今までの日常が一機になくなる。ワーホリも無しに。分岐点⑦

ライミングも山も行けず、ストレスのたまる日々。タイミング悪く?遠距離になったしね。

三密(今見ると懐かしいですね)を避け、釣りを再開。Twitter仲間とオンライン飲みや、麻雀をしていた。

それなりに自粛はしつつ、山には登っていたようだ。

沢泊をしたり、難しのマルチに行ったり。このころから黒稜会の方々とよく遊んでもらっていた。また、三倉に行きクラックの沼にハマり始める。

左:初めての三倉 右:根子岳。この数日後・・・

2020年11月、根子岳で遭難者の捜索救助を行うことになる。分岐点⑧

直前に行ったた山。初対面だったけど、山中ですれ違って立ち話した方。そして死。

ロープを出す山をするようになって、漠然と「死は間近にある」とは思っていたが、一番強烈に印象に残っている。

その日はちょうど休み。友人から「阿蘇で遭難発生。捜索救助手伝える?」と連絡が。

友人との予定をバタバタとキャンセルし、阿蘇に向かう。入山は夜。要救助者1名(滑落した方)はすでに亡くなっており、付き添いでビバークしていたもう一名を介助しながら下山。

自分たちはクライミング沢登り等、アクセスすること自体が困難な所を遊ぶフィールドとしている。そんな中、公的な救助機関に救助してもらうことになるが、遊ぶ場所が場所だけに、救助活動が困難になること。そして人は簡単に死んでしまうこと(この時はベテランの方だったけど、懸垂下降のすっぽ抜けだった。)を痛感。

父親の死以来数年ぶりに人の死を目前にし、帰りは号泣した。

根子岳捜索救助

ライミングをやめようかと頭をよぎった。

でも辞めることはできなかった。

しかし、自分たちがやっていることはすぐ死のリスクがあるという事は常に意識するようになった。万が一があっても最悪の事態に陥らないようにどうするべきか?とさらに強く考えるようになった。

 

また、2021年2月には大山北壁-備中-大堂海岸と意味の分からないクライミングトリップ。独り身を満喫する。

 

27歳~28歳:クラックに傾倒する。開拓クライマーと出会う。分岐点⑨

福岡のY本氏と、宮崎のE本氏と、そしてレジェンドH井さんと開拓に通うように。

いままで自分にとってクライミングとは、「誰かが拓いたものを登る」という認識しかなかった。それにクライミングの経験も浅い。整備もしたことが無い。そんな自分にとって矢筈や比叡の再整備は「クライミングのエリアって自分たちでつくって、また残してい行かないといけないんだ」と自分のクライミング感を変える大きな1歩となった。

掃除デビューは比叡のロックタワー

また、ひとしきり経験を積み、いろんなところに行くようになった年だった。

岩も沢も記録のほとんどないルートに惹かれるようになっていた。

岩は

・ムササビファミリールート、

・北壁橋井ルート

・矢筈ラプソディ

屋久島フリーウェイ

・行縢山南壁Gルート

沢は

・境谷(市房)

・山之口谷

・ニタノオ谷

・武平谷下降

そして大滝登攀。

一見不可能であろうラインの弱点をたどり、持てるすべてを出し切って、残置をせずに、グランドアップの初見で完登する。

ロクスノにのせる?との話をしたけど投稿しなかった。今まで何度かロクスノも掲載していただいたが、それらにも引けを取らない最高の登攀だった。

元々沢登りからロープを使うようになった私はグレードにあまり執着がなく、登攀力は「登りたいところを登る」ための手段の一つでしかないことに気づく。そしてその"登りたいところ”というのは看板課題でも高難度(グレード)でもなく、ただただ見た目の美しさ・かっこよさという事に気づいた。

左:平日原色チーム 中:境谷桃源郷で沢泊 右:ムササビファミリールート

自分はフリークライミングはいまだにせいぜい11代しかRP出来ていない。人工壁に行けば5.12をPRするクライマーがたくさんいる中で、自分の純粋なフリークライミング力は劣っている方だ。しかし、情報が無いカッコいい所を登る為の押し引きの判断やチームが生きて帰るための細かい引き出しは少しだけあるように思う。

既存の所に行くよりも、知らないところを登りたい。という感情が芽生えるようになる。それからというもの、傾山南壁や、大崩山への開拓へと足を運ぶこととなる。

(K山さんやH井さんのプロジェクトに付き合っていた"だけ"とも取れるが、それでも未知の壁に挑むのは楽しかった。数知れず通った傾山は最高だった。

大滝登攀をしたり。
幾度となく傾山に通った。最高のクライミングだった。

29歳

情熱も落ち着き、楽しく登る時期に。

ひとしきり九州の有名どころの沢や岩場にいき、マンネリぎみの年。

妻と同棲を始めたり、アルプスへ遠征したり等比較的のんびり過ごす。

28歳,29(2022-2023年)の振り返りはしているし省略でいいかなw

妻殿と鳳凰三山縦走。

こうして振り返ってみると20代は本当に"山"だったなと思う。

山を通して色んなことを学び、育てられた。

こんなフラフラとしていた山に登っていた自分と結婚してくれた妻には感謝している。

 

もし最初の赴任地が博多や関東の都市部だったら、おそらく山登りなんてしないで飲み歩いたり、もっと違う人生を送っていたと思う。

 

 何となくキャンプを始めたこと。山登りを始めた事。ハードハイカーに飛び込んだこと。職場の先輩と切磋琢磨できたこと。

与えられた条件の中で選択してきた事。出会いと別れは幾度となく繰り返したが、山を通じて様々な人に会うことができた。

その縁が、選択が積み重なって今の自分があるなと改めて思う。

 

 本州の山への憧れは今でももちろんあるが、九州で開拓クライマーに出会い、少なからず開拓に携われたこと。書籍に名前が載ったことは誇りに思うし、お陰様でそれなりに遠征に行った時にも「あ、たかひろさんですか?」と認知して頂けていることも増えた。

 

 戦争や疫病、円安も進み、一生涯安泰とは言えぬがそれは神のみぞ知る世界。

将来、子供が出来るかもしれないし、生涯妻と二人かもしれないし。離婚するかもしれないし、山で落ちて死ぬかもしれないし。明日事故に遭うかもしれないし。一寸先は闇。

人と比べ始めたらきりがないことはもう十分に経験したし、与えられた環境で、自分がとった選択が正解であるという信念を持ち、慎ましく毎日を過ごしていく中で、ちょっとずつ自分の人生の厚みを増して行けたらなと思う。

サンキュー、20代。よろしく、30代。

 

主要な記録。印象に残った山だけ抜粋している。

 

 

 

ありがとう2023

どうも、半年ぶりの更新です。

前回はinreachについて。そして前々回は2022の振り返り。年間2回しか書いてませんね...。

 

出不精ですが振り返りぐらいはしましょうか。

(インスタすら更新しなくなりましたしね)

 

1月

・遠征

八ヶ岳遠征の予定が、大寒波。伯耆大山に転身。

 

2月

・神原本谷(祖母山アイス)

・エンドウォール開拓

 

3月

・帰省

・エンドウォール開拓

傾山トップアウト

・本匠クライミング

4月

・比叡マルチ(左峰カンテ)

・渓流釣り

・エンドウォール試登会

・マルチ(行縢 Sunflower)

・辺クラ(九十九島

 

5月

・友人結婚式(博多)〜風邪(コロナ?)

・沢泊(上の小屋谷)

阿蘇ヤマキリシマ

・イボ完治。半年かかった

・日田観光

6月

・プロポーズ〜湯布院観光

・渓流釣り(椎葉)

傾山開拓

・指輪作成(福岡)

 

7月

・送別会遡行(鹿川)

・災害ボランティア(中津)

床上浸水、土砂流れ込みの撤去

・渓流釣り(鹿川)

 

8月

・指輪受け取り

・入籍

由布川ゴルジュ

根子岳整備

・エンドウォール開拓

 

9月

・新婚旅行(南アルプス

 

10月

・ウェディングフォト撮影〜キャンプ

傾山ワンプッシュ

・エギング

・くじゅう紅葉

・日出マルチトレ

 

11月

・矢筈

・糸島観光(牡蠣小屋)

・行縢マルチ(飛ばない玉ねぎ)

・三倉

12月

・ウェディングフォト撮影準備(ユマール練習など)

・竹田観光(岡城)

・岸良遠征

・義妹挨拶

・帰省,顔合わせ

 

やはり1番印象に残ったのは結婚だと思う。

がむしゃらに山に登る一方、仕事やらなんやらでメンタルをやり気味の時に支えてくれたのは妻でした。

鹿児島-大分と遠距離でしたが、かくかくしかじかで半同棲状態になり、付き合い、同棲したのは昨年の夏。今年の6月にプロポーズし、山の日の8月11日に入籍しました。

まさか結婚するとは思っていなかったけど、人生不思議なものですね。

自分はどちらかと言ったら冒険系の山が好きで、記録のない沢やマルチといった未知への挑戦系がメイン。対して妻はのんびりハイキング系。

先日くじゅうに一緒に行ったが「歩いてると頭を空っぽにできてよい」とぼそっとこぼしていた。

自分にとって山とは挑戦で、常に考え続けるフィールドだったので、そういう考え方もあるのかと目から鱗だった。

 

岩の部では、以前から続けていた傾山の開拓がようやく終わり、安堵感が大きい。今年1番の印象はやっぱり傾山かな。

合わない日程、恵まれない天候、鈍る体....。

不安もたくさんありしたが、山を始めるきっかけとなった先輩と、この壁をやり遂げたことは自分にとって大きな財産になった。おかげさまでロクスノにも掲載していただいた。

ロクスノと言えば、長崎九十九島も開催された。

脆い岩質で泥臭い登攀。強風によるフェリー欠航。めちゃくちゃ面白かった笑

 

エンドウォールが公開されたのも九州にとって大きなイベントの一つだと思う。

微力ながら掃除の手伝いと、T氏と協力して、一つのルートを拓くことができた。ルート名は百日紅さるすべり

2Pながらもワイド〜スラブ〜薄被りのハンドと面白い。

 

沢や大滝登攀はほとんどいかず、サマン谷や鹿納谷、渓流釣りが多かった。

しかしながら、T氏と行った由布川渓谷は印象に登っている。沢の経験値が増えた今、遡行中に畏怖を覚えることはほとんどなかったが、由布川渓谷ではそれがあり、久々に飲まれた。

狙いのみこやしきの滝では、自分のプロテクションセットが不十分でフォール。敗退となってしまった。未知だったが、少しは勝手がわかったのでまた挑戦しに行きたい。

 

例年に比べてガツガツと山に登る回数は減ったし、歩きも弱くなった気がするけど、一回一回が濃厚だったように思う。

 

来年も楽しく、わくわくする様な山をやりたい。(家庭も大事にするぞ!)

 

Garmin inReach Mini 2 ~運用編~

昨年8月、GarminのinReach Mini 2を購入し「こんな機能があるのか。」「こんな感じで使えたらいいな~」というレビュー記事を書きました。

Garmin inReach Mini2 - アル中クライマーの忘備録

購入から約1年間、それなりに使用してきたので実際にどのように運用しているかをまとめていきたいと思う。

導入

Garmin messengerのダウンロード・登録

前回の記事で、"普段登録しているメールアドレスが使用できる"と書きましたが、しばらく使用しているうちに半分正解で半分誤りだという事に気づきました。

一方的にメッセージを受信するだけなのならメールアドレスで構わないのですが、双方向のやり取りをしたい場合、メールに記載されているリンクからの返信では送信履歴が残りません。

そのため、頻繁にやり取りをする家族や留守本部はGarmin Messengerのアプリをインストールし、その連絡先(電話番号)でやり取りした方が絶対良いです。

ちなみにGarminのデバイスを持っていなくても、電話番号だけで登録可能です。

www.garmin.co.jp

inReachの機能と運用方法

プリセットメッセージ(現:チェックイン)

あらかじめ設定したメッセージを位置情報付きで送受信することが出来ます。

登山開始時には送信するようにしています。それ以降は、大きな分岐など要所要所で送信し、大まかな状況が分かるようにしています。

特に渓流釣りでは、水量や現地の状況次第で複数の谷を転々とする事があるので重宝しています。

※以前はプリセットメッセージとして、3つの任意のテキストを設定し、課金することなく無制限で送信することが出来ましたが、2022/09/27以降のアカウント登録ではチェックインメッセージに置き換わりました。詳細は下記参照。

inReach:チェックインメッセージに関するよくある質問 | Garmin サポートセンター

不便になるようにも思えますが、ここ半年使用した限りでは"入山/下山" "異常なし"のメッセージを送ることが大多数だったため大きな影響はないと思います。

時折"遅れるが問題なし"というメッセージを使用していましたが、メッセージを使用するか、あらかじめ家族と"3番目のチェックインメッセージを送った時は遅れる"と打ち合わせておけばカバーできると思います。

プリセットメッセージとクイックメッセージ。プリセットメッセージの設定は現在は不可。

メッセージ

スマホと連携し、自由にメッセージを送ることができる。私は一番安いセーフティープラン(10通/月まで無料。以降1通ごとに$0.5)なので、ケチりがちです(笑)

また、テンプレとしてクイックメッセージを10個登録することができます。

実際に、下記の時にはinReachを使用して家族(留守本部)とやり取りをしました。

・提出した山行計画から変更が発生した時。

・行程が遅れる可能性があった時。

・下山が著しく遅くなった時。

・沢泊の行動終了の報告と、翌日の天気確認

位置情報付きのメッセージを送ることが出来る。※Messengerでは違う形式で表示される。

Messengerアプリ(受信者)の画面。Lineのようにやり取りができる。
Messengerアプリからはこのような位置情報の表示になる。
地形図が表示されないため、正直見にくい。

ラッキング

位置情報を一定の間隔で送信することが出来ます。最安のセーフティープランだと1ポイント毎に0.1ドル掛かるので、スマホやinReach本体をあまり触る余裕のないここぞという山行でしか使用していません。

泊まりの沢に行くときに、1時間毎に送信するように設定してみました。後述のMap Shareで見ることが出来ます。

 

Map Share

機能としては、Yamapやヤマレコ等に搭載されている"みまもり機能"に加え、メッセージの送信と位置情報の検索が出来ます。。

みまもり機能は携帯の電波が入った時しか更新されませんが、inReachならずっと圏外でも大丈夫。

※受信者へのメッセージは届かないため、定期的に確認する必要があります。

また、メッセージの宛先にMapshareを入れる事で、ページを知っている人ならだれでもメッセージを見ることができます。

1時間毎のトラック送信+プリセットメッセージを送った時のMap Share画面

注意事項

送受信に時間ががかかる時がある

稜線上では基本的に1分程度で送信されますが、谷筋だと時間がかかります。
inReach本体を防水袋に入れ、雨蓋に入れて沢登りしていますが、今のところ位置情報を送れなかったことはありません。
移動しながら空が開けているところに出たタイミングで送信されているのかと思われます。

また、移動しない場合は30~1時間ほど待つと送信されます。

inReachのメッセージの送受信に使われている周回衛星が、頭上に来たタイミングで送信できるのだと思われます。

https://www.soumu.go.jp/soutsu/shikoku/chosa/eisei_inet/pdf/bosai_06.pdf

総務省 衛星通信サービス概要。

普及しておらず、受信者が不慣れ

いざ、inReachを購入した所で、マイナーな機器の為に受信者をお願いしにくいです。

この記事によって、そのデメリットが解消されることを祈ります。

Garmin Messengerアプリ上では地形図が表示できない。

Garmin messengerでのやり取りでのデメリットとして、なぜかメッセンジャーアプリ上で地形図を開けないという事。メールに添付されるリンクだと見ることが出来るので、両方に送信するように設定すれば一応は解決します。

また、Garmin Messengerに記載されている座標をGeographicaや国土地理院で検索すれば地形図状で位置を表示させることが出来ます。

若干手間がかかるが、登山地図アプリで位置情報を反映させることが出来る。

導入した感想

登山者として

 衛星通信なんて、海外遠征や高所登山するわけでもないのに。大げさな。と思うかもしれません。しかし先日、渓流釣りで入渓直後に滑落。自ら救助を呼ぶことが出来ず3日後にようやく救助された方もいらっしゃいました。

 冬山登山や沢登り、渓流釣り等のリスクの高いアクティビティを行う中で、"どこでも連絡が取れる"という事は冒険性が損なわれてしまうのも事実。しかしその反面、家庭や社会人としての立場がある人が、そういった山行をするのであれば自分の状況を報告できる状態にしておく必要性もあると思っています。

 初期費用として端末代が約5万円。また、月額2,000円弱は高く感じますが、iPhoneが軽く10万を超え、通信料も数千円するこのご時世からすると決して高い投資ではないと思います。

(と、長ったらしく書きましたが要約すると「家族に不安な思いをさせずに思いっきり山を楽しみたい」なのです(笑)

家族として

いつも留守本部をお願いしている彼女(登山経験あり)に、自分がinReachを使うようになってからどのように感じたか、聞いてみました。

 

--待つ側の立場として、inreachは必要だと思う?(Yes or No)
Yes。
特にパートナーが、整備され携帯電話の通じるような大多数がしている登山でないので尚更。

 

--パートナーがinreachを持つことによって、何か変わった?

下山完了の連絡が来るまであった、不安がかなり減った。
現在地や進捗状況が把握出来るのはもちろん、万が一何かあった時にある程度の居場所がわかる事の安心感。これは絶大。(人生史上最悪な場合になったらせめて身体は帰って来て欲しい)

 

--メリット・デメリットがあれば。
【メリット】

・圏外になる山行が多く、みまもり機能は使用できず。ココヘリでは、パートナーがどういう状況にあるかわからないので、衛星通信が出来るinReachは安心感がある。


・遭難時の捜索スピードアップと生存率を上げるはず(遭難の経験がないので、はずとしか言えない)

【デメリット】
・ごくごく稀に位置情報の誤りがある。(1回だけ経験済み。非常に焦った)
 →おそらくテスト送信を大量に行っていた際の未送信だったメッセージが時差で送信されたものと思われます。
・地形図(例えばジオグラフィカ等)で見たい時に、若干の操作が必要な事。
(ガーミンとジオグラフィカが連携できるとありがたい。)
・送信に時間が掛かることがあるので、送られて来た位置情報が現在地とは限らない。
・自分の登山スタイルでは日常的に使わないので、習得し理解までに時間がかかる。頻繁に使わないとうろ覚えになるので、復習がいることも。(広い心で教えて下さい)


--ご自由に感想・所感をどうぞ!
金額の問題はあるがそれ以上の良さはあり。今思えば1割でも(たった1割りかい‼笑)手出ししても良かったなと思うぐらい、とにもかくにも待つ側の心の余裕が出た。

とても重要だと思うのが、パートナーと一緒にインリーチの使い方の擦り合わせ、文言やパターンの認識の統一は必要不可欠かなと。これがすれ違っては話にならないかと。

もしも救助になった場合、救助要請はもちろんだが(インリーチにSOS発信機はあるけど)、その日の山行は自分以外にも誰かに情報共有されているか、パートナーの山仲間にも即連絡すべきか、その時は誰に連絡すべきか。
「インリーチがあるから安心!」ではなく、日頃パートナーが、どんな山行スタイル、どんな山仲間がいてその仲間同士はどんな繋がりがあるのか、今回の装備は何か。
そういったパートナーの様々な情報を日常会話で触れておく事は、最悪の事態に貴重な情報源になる可能性もあるので、安心しきって胡座を描いていいと言う訳ではないなぁと。
なので日頃のコミュニケーションも大事だなと、改めて実感。
(彼はコンパスも利用しているのでそこも助かってます)
(よく遭難記事で見る「知らなかった」「興味なかった」ってあるけど、山をやっているから大丈夫ではないよね)

 

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それでは、良い登山ライフを!

 

2022振り返り

早いもので、もうすぐ2022年が終わろうとしています。

年をとればとるほど、1年が短くなっていくような気がする・・・。目まぐるしく過ぎていく日々を忘れないように、一年を振り返りたいと思う。

 

【クライミング(マルチ)】

屋久島フリーウェイ(12P 5.10d)

・小積ダキ 蜘蛛の糸~中央稜(11P)

 

【クライミング(トラッド)】

矢筈

アメリカドリーム1P、2P OS

 

名張

・Crack Baby 5.7 OS

名張入門 5.9 OS

・ミニラ 5.10b OS

・Surf Rider 5.10d 4RP

Surf Riderはフィンガー。プロテクションが細かく、緊張する。

0.2,0.3に落ちるも4トライ目でRP

 

【クライミング(ショートルート)】

本匠

・アイミスユー5.11b RP

・ナマコの泪 5.12a ×

八方が岳

・Remember 5.11a OS

日向神

・ウシ子 5.11b RP

・初孫 5.12a ×

 

【クライミング(ボルダリング)】

八面山 ノーズ 2級 RP

 

【沢】

・小川谷廊下(丹沢)

・石並川ゴルジュ

・そごう谷(釣沢泊)

・猪焼谷

・山の神谷

 

【アイス】

・鷲ヶ峰 赤谷

・宇戸内大滝(トップロープ)

・大永山アイス(四国)

稲叢山アイス(四国)

 

【整備・開拓】

傾山南壁

・大崩山湧塚

・比叡三つ子ハング

・矢筈下部岸壁

・鷲ヶ峰整備

根子岳整備

 

【大滝登攀・辺クラ】

・矢研の滝(宮崎県都農)

栴檀轟(熊本県八代)

・鼻熊(宮崎県延岡)

 

【ボランティア】

・チェーンソー講習

・国見岳捜索

・災害ボランティア(床下浸水のかき出し)

 

【ハイク】

くじゅう17サミット 1day

 

こうして書き出すと、いろいろな事ができたなと思う。"山"という大きな括りでは何も変わっていないが、開拓やボランティアなど、様々な刺激があった。

1つ目はボランティア。災害対策の一環でチェーンソーの使い方やメンテナンスを行った。

また、国見岳の遭難救助については登山者としての安全意識や救助者側の意識ということも当然ながら、組織と活動する事、自分の立場、出来ることと出来ないこと、仲間の考え方など普段意識しないところについて、より深く考えることができた。

台風14号の到来で熊本-宮崎に被害が出た。

個人的な都合で1日しかボランティアに参加できなかったが、床下浸水の泥のかき出しを行った。

 

2つ目に、今年は開拓する機会が増えた。

大滝登攀や、船アプローチの辺境クライミングをすることが出来た。

傾山、大崩山等アプローチに数時間かけるところにも通うようになった。

いずれにしても、記録がないところを登るという恐怖、不安、プレッシャー、緊張、葛藤。

そして冒険するワクワクとと達成感を知ることが出来た。

 

半面、フリークライミングに力を入れることは出来ずに、グレートはほぼ変わっていない。仕事も忙しく、平日のジムもほとんど行けなかった。

山歩きもほとんどしなかった。沢もあまりいけなかったし、下半身は弱体化してしまった。

(20kg前後のギアを背負って数時間のアプローチ等をしていたので、そこまで落ちてないと祈りたい・・・・(笑))

 

クラックを触る機会が増えた(?)おかげか、初めての名張で全便リード。

10dのサーフライダーを1dayでレッドポイント出来たのは純粋に嬉しかった。

 

今年の初旬は燃え尽き症候群のような感じで、山に足が向かわなかった。

何かと忙殺された1年だったが、彼女ができ一緒に住むようになった。

下界での生活を大切にしながらも、来年もいっぱい登りたい。

 

2023の目標

・かっこいいところを登る。

・楽しく登る。(壁も、山も。)

・トラッドで5.11を登る。

・スポーツで5.12を登る。

・源流尺ヤマメを釣る。

Garmin inReach Mini2レビュー

 

Garmin inReachi Mini2の日本語版が2022年4月20日に発売されました。

基本的な概要や導入方法、大まかな機能についてはほかの方がまとめてくださっているので省略。

今回、留守本部役を置いたうえで機能テストしてみた。結構使える気がしたので、忘備録として残しておく。

 

少し前置きというか前提条件を。

自分は普段、コンパス経由で登山届を提出しており、緊急連絡先を彼女にしている。

なお彼女自身も登山に精通しており、私がどういうアクティビティをしているかも理解している。今回は彼女氏を留守本部に置いた想定での試験運用とした。

 

利用想定① :留守本部(家族)への定時連絡。

利用想定②:メッセージの送信

利用想定③:緊急時の位置検索

利用想定④:トラックの送信/共有(Map share)

 

利用想定① :留守本部(家族)への定時連絡。

おそらく、最も高頻度で使用する機能。インリーチの3つの料金プランの中で、最も安いsaftyプランでも使い放題。

"位置情報付き"のプリセットメッセージを回数無制限で送信できる。

 

サラッと書いているこの機能・料金がインリーチの真髄と思っている。

 

山行のほとんどは問題なく下山できる。緊急時のために5万円もする端末を買って、月額利用料を払って・・・ってのは正直あほらしいし、そこまでの財力はない。という事で留守本部(家族)への連絡をメインに運用していこうと思う。

3つ設定できるプリセットメッセージを以下のように設定してみた。

1.順調。進みます。

2.遅れているが、問題なし。

3.行動開始/終了。

プリセットメッセージが届くと、受信者(留守本部)へはこのような以下のメールが届く。なお、メッセージの受信にあたって留守本部がすることはなく、普段使用しているアドレスが使用できる。
返信はメールに添付されているリンク先から行うことも可能。
※メールから返信はできないので要注意!

メールに記載されているリンクをクリックすると、MAP上に位置とメッセージが表示される。

メールの受信画面とリンク先

入山時に3.行動開始。とメッセージを送れば、そのあとは適宜1. or 2.のメッセージを送っていけばよい。inReach本体からメッセージを送る操作自体は10秒ほどで完了するので煩わしくない。

今まで"脱渓"や"登山道に出ました"など、ざっくりした形でしか連絡していなかったが、谷のど真ん中での小休止や、脱渓時にわざわざ機内モード解除してライン開いて・・・としなくて済む。(脊梁見たく主稜線に上がっても電波無い山あるしね・・・)

 

また、「別に大したことないんだけど、ちょっと遅くなる!!!」って時は少なからずあると思う。山に入ってる人間は何とも思わないけど待ってる側からすると「え、もう16時過ぎ・・・なんも連絡ないし既読もついてない・・・大丈夫かな・・・・救助要請・・・・?」と考えが巡ると思う。

そんなときも遅れるが問題なしと位置情報付きメッセージが1通でも来ていれば「ああ、下山の尾根上か」とわかる。

 

なお、プリセットメッセージは3種類設定でき、ネット環境があるところではいつでも(スマホ/PC)内容と宛先を変更することが出来るので、沢の時はこのプリセットでだれ宛。冬山の時はこれとフレキシブルに変更することができる。

 

利用想定②:メッセージの送信

プリセットメッセージだけでなく、inReachでは任意のメッセージ(半角160文字/全角80文字)を送ることが出来る。safetyプランでは月10通まで無料。以降1通0.5ドル。

①に挙げた通り、基本的には回数制限のないプリセットメッセージで運用。

特筆する場合には通常のメッセージを送ればコスパが良い。また留守本部から天気情報もらえれば心強い。また、スマホアプリと連携することでラインなどと同じ感覚でメッセージを作成/受信することが出来る。

(例1)

「テント場着。問題なし。予定通り明朝5時出発。天気は?」

「了解。午前中は晴れだが、15時から雷雨予報」

 

(例2)

「滑落発生。〇〇が負傷し意識なし。救助求む」

 

等といったようなやり取りが出来ればと思っている。

例1ではちょうど先日仲間が沢泊の2日目に大雨に降られたらしい。

深い谷でラジオも入らなかったようで「こういう時留守本部に天気の確認、翌日のエスケープ案連絡できたらいいね~」と話をした。

例2では、先日の国見岳捜索の件。今回の導入するきっかけになった最大のポイントでもある。

今回、要救助者発見した個所は圏外であり、電波を求めて道なき尾根を上がって主稜線にでた。しかしながらも通話するには厳しい電波上だったため、留守本部経由で通報させれば要救助者から離れることなく、迅速に救助要請が出来たものと思われる。

 

利用想定③:緊急時の位置検索

購入前はあまり気に留めていなかったが、有事の際に使えそうなのが位置検索。

下界から「お前どこにいる!?」とinReachに信号を飛ばし、強制的に位置情報を送信させることが出来る。

後述するMapShare上から"検索"することが出来る。

1枚目の★検索タブからinReachに位置情報のリクエストを送信することができる。

2枚目のMAP上の★マークが、リクエストに応じて送信された位置情報。

"これには最大で20分間かかる"とあるが、inReachの設定上メッセージを受信するのは1時間に1回なので、最大1時間ほどはかかるとみておいた方が良い。

 

連絡が途絶えた(事故発生)の際に外部から位置情報を取りに行けることで、翌日の初動がかなり早くなる。

 

YAMAPの見守り機能に似た機能だと思うが、YAMAPは"最後に圏内になった場所"が表示される。すれ違い通信という機能もあるが、沢ではほぼ確実にすれ違う事はない。

ココヘリはヘリが飛ぶまで要救助者の位置はわからない。

 

利用想定④:トラックの送信/共有(MAP SHARE)

何となくイメージはついていたが、購入するまでよくわかっていなかったMAP SHARE.

Map shareで出来ることとして、地図上でメッセージの表示、メッセージの送受信、そして位置検索を行うことが出来る。

地図上の〇がトラック、✉がメッセージの送信位置。

位置検索を行った場合、前項のように★マークが表示される。

それぞれのポイントを線でつなぎ、軌跡にしてくれる。

Map shareには個人ごとにページが生成される。パスワードや、公開期間を制限することも可能。

 

 

その他

・inReachの機能、そして山の事を理解した留守本部があることで性能を最大限発揮することが出来るデバイスだと感じた。

逆を言えば、山のことが何もわからない家族を受信者にしても効果半減だと思う。 

 

・圏外になる場所にはあまり行かない。ほかの登山者とよくすれ違うという方はココヘリやYAMAPの見守り機能で十分かもしれない。

しかし、人も電波も入らないところを嗜好する者にとっては非常に心強い端末であると感じた。

 

・通信速度

衛星の通信状況(?)によって、メッセージを送信するのに時間がかかる。

早ければ5~10秒ほど。長ければ2分ほど要したときもある。車で移動しながらの時もあったため、山だと状況が違うのかもしれない。

 

→2023.01追記

しばらく使ったところ、深い谷だと20分ほどかかることもある。

1.木が覆われてほぼ空が見えない→厳しい
2.一部が開けている→5分ほど
3.広く空が見える→数秒

衛星補足するまでずっと待機してくれるらしいので、谷歩くときはトラックの送信で開けた時に送信されるのを待った方がいいかもしれない。

 

 

・使用感

ボタンは大きく、クリック感は固め。プリセットメッセージの送信程度ならオーバーグローブした状態でも可能。

 

普段関わりのある方で、インリーチの導入考えているが、プリセットメッセージがどのように受信できるか体験したい。Map shareがどのような感じか見たい!って方がいたらテストとしてメッセージ送信、パスワードをお送りしますので、リプorDMお待ちしてます!

 

また、自分も探り探りではありますが、質問も随時うけつけております!!!

etrexの運用(ハード)

半年ほど前にetrexを買いました。

GPS専用機 eTrex30xを買った話 - アル中クライマーの忘備録

ハード面の手順について忘れないように忘備録として。

 

【仕様ソフト】

カシミール3D

 →ルートの作成

・BunBackup

 →etrexからPCへGPXファイルの転送

 

【事前準備】

ルートを引かないのであれば事前準備は不要。

※関東以北の地形図は入れていないので、そこに行くときは地形図(.imgファイル)をmirroSDに転送しておく。

 

・ルート作成:カシミール3D

①地形図上で右クリック→新規作成→トラック作成。

②クリックして行きながらラインを引く。

③eterx上で判別し易い用にタイトルを"R_ルート名"とする。

※ルート作成だとウェイポイントの連続=GPS上で見にくくなる。

トラックラインの作成

ツールバーの通信→GPSへアップロード予約→選択データ。

左のタブからたどり、任意のファイルを選択。

⑤右から2番目のGPSアップデートボタンを押下すると転送できる。

PC上での操作はこれだけ。

アップロード準備

 

【ガーミン上の操作】

メニュー→軌跡管理→軌跡保管庫に作成したファイルが表示される。

GPX上に赤線が表示された。なお3枚目はルートデータ

 

 

【下山後の転送】

バックアップ用のフリーソフトを使用。正直なんでもいいと思う。

コピペがめんどくさくなければバックアップソフトすら使わなくていいともうw

 

etrexで取れたログはK:\Garmin\GPXフォルダ内に軌跡_YYYY-MM-DD HHMMSS.gpx

というファイル名で保存される。

②わかりやすいように20220123_宇土内アイス.gpxなどとファイル名を変更する。

③これをクラウド(自分はドロップボックス。onedriveでもicloudでもなんでもいいと思います。)に転送。F11キーで自動で転送される。

 

アップロードされたGPXファイルはiphone上でジオグラフィカで開くことが出来る。

 

 

もっといい方法があれば教えてください!!!

 

GPS専用機 eTrex30xを買った話

こんばんは。タカティです。

3月からなぜか仕事が忙しく、山どころではなかった今日この頃。

久々におもちゃを買ってみたので忘備録。

買ったものはGPS専用機の"eTrex30x"。なんとメルカリで1万円。

いらないもので得た売上金もあったのでつい衝動買い。

スマホGPSが進化していて、GeographicaやYAMAPなど登山用のアプリも充実しており現に自分もGeographicaを愛用している。ではなぜスマホが進化しているこの時代に、逆行するようなGPS専用機を買ったのか。ジオグラフィカの開発者様にこのような記事がある。

登山におけるスマホGPSの誤解 - ヤマレコ

"GPS専用機は不要です!"

と強く書かれており、概ね同意しますが私個人としては良くも悪しくも"登山用GPSスマホ良い"と感じます。

 

購入してまだ3カ月ほど。冬山やバリエーションルート、ハイキング等で使った感触では、レスポンスや画面の広さからむしろスマホの方が便利。

しかし、以下の条件下では専用機の方が優位だとも感じる。

・こまめに現在地を確認したい。

・グローブをしている

・端末が濡れる環境にある

まず、こまめに位置を確認したいとき。

スマホだとロック解除→アプリを開くという手間が煩わしい。FaceIDだとパスワードを入力する手間は省けるが、画面をスワイプする必要がある。
素手で行動できる季節なら気にも留めないが、手が濡れていたり、グローブをしているとロック解除の作業がストレスとなる。

対してGPS専用機はボタン一つ押すだけで現在地が表示される。
利用想定は冬山や沢登りなど、グローブしていたり端末が濡れる環境で登山道以外を歩く時。このような山の時はいまだに専用機の方がいいんじゃないかな~と思う。

あと沢ではスマホを壊したときの損失が怖いので、基本的にザックの奥底にしまうようにしているのもあるw

他にもディスプレイの特性も異なっていて、晴天下でスマホは輝度を最大にしても画面が見にくいが、eTrexなら輝度0でも見やすい。

沢登りでは防水ケースとかで問題ない気もする(今もそうしている)けど、せっかく安くで買えたし今期は気にせずガシガシ使っていこうかと思う。

 

ちなみにGSPの精度的にはスマホも専用機も大きな差は無いように感じる。(あるのかもしれないけど。)

あと購入してみて地味に便利だと思ったのが以下の2点

電子コンパス(校正も容易)

・地形図をDLする必要がない

eTrexの上位モデルは電子コンパスが内臓されていて、地図上のアイコンが進行方向に対してきちんと連動する。精度はなかなか高いように思うし、校正もXYZ方向に1回転させるだけ。

また、microSDに地形図データを保存しているため、スマホGPSのように電波のある時にDLしておくという前準備が必要ない。

なお、地形図データーは

すけログ様(Garmin GPS向け地形図(無料)のダウンロード -

EIZO様(【ラスタ】GARMIN用地理院地図【IMG】 - eizo slash blog3

のお二方のを使わせていただきました。

山行前にいちいち読み込ませる必要ない=保険でザックに忍ばせておくだけでもバックアップとして十分に機能する

と思いました。整備されている一般登山道で紙地図+コンパスを用いることはほぼ無いので、予備としては必要十分なんじゃないかなと思います。

 

毎度のことながらまとまりの無い文章になってしまうけどまあよかろう。

よく見るブログのように

〇〇とは?
使ってみた感想

まとめ!

みたいな構成が見やすいんだろうけど面倒・・・・