アル中クライマーの忘備録

好物は酒と山と岩。

祖母山奥岳川クマガ谷右俣左沢遡行

2020.10.13

奥岳川のクマガ谷右俣左沢遡行をしてきました。
事の発端はフォロワーのKさんから「九州の沢に行くことになったんだけどどんな感じ?」と相談を受けたところから。

それなりに情報提供してあげていく中で、「よかったら一緒に行きましょう~」とうことでお誘いしてもらっての催行でした。

 

CLのyoshikitoさん、SLのutagさんがKさんを誘う→Kさんが自分を誘う。

という感じで自分はyoshikitoさん、utagさんとは全くの接点なし。

というだったので事前にzoomで顔合わせ&レベル感のすり合わせ。
(沢初めて3年しかたってないし、難しい沢にも言っているわけではないのでぶっちゃけめちゃくちゃ緊張してましたw。フリークライミングならグレード伝えればいいんだろうけど沢は・・・。沢の源流も初級中級上級(しかもガバガバ)程度のグレーディングなので"〇級の沢をCLで行ける"という経験もないし・・・。)

 

ミーティングを終え、彼らは11日から宮崎の沢を泊まりで遡行するとのことで、13日、14日にクマガ谷→川上本谷を遡行するという事だったので、途中から合流させていただきました。

 

12日 20時頃

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尾平越で合流。下山用に車をデポる。

荷物を積み替えて尾平登山口へ。4人+その荷物つんでも全然広い。やっぱ軽バンの収納力すごい。

 

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恒例の尾平登山口のトイレ横の東屋で前夜祭。夜は結構冷え込み、今シーズンの鍋始め。

前日の甘茶谷がヌメって悪かった話やらたわいもない話をしながら鍋をつつく。

ワイワイ話をしながら0時ごろ消灯。翌朝5時起床予定でしたが、なぜか寝付けなかったので酒を片手に、砂利道に寝ころびながら星を見る。でっかい流れ星が見えてとてもきれいだった。

 

13日0430頃起床。
朝食を取り入渓点へ。Kさんの知り合いのMさんと入渓点付近で合流する。

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装備のブリーフィングをし6時に入渓。5人で沢に入るのは初めてでなんか新鮮。右俣左沢/右俣右俣の出会いまでは遡行したことあったので、のんびり最後尾を行く。(後からyoshikitoさんに「みんなの事観察してたでしょ~」言われて少しドキッとした。よく見てるな~~と感心。

 

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下部は快適な小滝をフリーで越えたり、飛び込んだり・・・。

結構寒かったのに飛び込むとはさすが本州の沢屋。強い。

 

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12m幅広

歩みを進めるにつれ、徐々に大きい滝が出てくる。フリーで行けるかなと思ったが意外と悪かった。というかラインどりミスった気がする(左岸の草付き付近を登った。)中段からは右岸の水線突破ほうがよさそう?

 

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途中から結構悪かったのでロープを出す。が、カムは後続のutagさんが持ってる。自分の手元にはトライカムとナッツのみ。トライカム2個でビレイ点作ってあとは結局ランニングもとらずに突破。以外とホールドが多く、楽しかった。

 

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800mの明瞭な二俣。適宜しっかり地図を出していて関心する。

(今回あまり読図せずにお任せしてた部分も多かった・・・)

 

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この滝はyoshikitoさんにリードしてもらう。斜面に泥がついていて結構悪かった・・・。ヌメリでふい落ちしそうでビレイしながらひやひや。一番神経使ったかもw

 

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この滝は巻いた。快適な高巻き。

 

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快適な斜滝をのぼったり光芒に見惚れたり。

楽しく遡行しているとついに・・・・

 

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40m簾状

40m簾状+15m斜爆!!!

一同「やば!」「すご!」「なにこれ!!」と歓声を上げる。

絶景の前だと語彙力無くなる説、あるとおもいます。

よく見るといろんなラインから直登できそう。

 

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頭から飛沫を浴び、直登。

滝横に紅葉もあり最高。

 

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面白い形の滝。まるで宮之浦川のアッカンベーの滝の様だ。(宮之浦川行ったことないけど)

 

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土壁を登る。フリーでも行けそうだったが念のためロープを出す。

何となく「誰かリードします?」と聞くとMさんがうれしそうに挙手。

高巻きが好きらしい。たぶん変態だ。100回以上比叡のマルチに行っているとのことでめちゃくちゃロープを捌く手際がよい。

 

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土壁を超えると「ここを通ってください」といわんばかりの快適なバンドを経て再入渓。黒部の下ノ廊下ってこんな感じなのかな。

 

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あとは水も細くなり、ガリーを上がって尾根に乗る。

 

で、普通の沢登だったらあとは適当に下山で終わるのですが、クマガ谷の真骨頂はここから。

 

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脱渓後は主稜線に乗りますが、これが日本百名山の祖母山と傾山をつなぐ縦走路なのです!大体沢の下山って単調になりがちなのに、下山も楽しめるって最高じゃないですか???

紅葉も色付きはじめで最高。気持ち良すぎて思わずトレラン下山。

 

尾平越(alt:970)に車をデポっているので緩やかな尾根を500m下れば終わり。

景観よし、登攀よし、下山よしの3拍子揃った最高の沢でした。

 

 

以下同行者が書いてくれたyoshikitoさん/utagさんの記録。詳細にありがとうございました。

www.yamareco.com

 

比叡山 ニードル左岩稜スーパーがスーパー悪かった話。

半年ぶりに行ってきました比叡山ニードル。

前回は核心の2P目をリードしたやつ。takayama.hatenadiary.com

この時はニードル→コルへ懸垂下降→サマーホリデイ83というルートを継続登攀しました。(記事書くとか書いてるけど書いてない・・・・)

今回はニードル左岩稜スーパーからAピークまで登るラインを登攀してきました。

マルチピッチデビューからちょうど1年の舞台はニードルでした♪

 

ニードル/ノーマルルートから数分歩いてスーパーの取付き。K氏が核心ピッチを行きたいという事なので、奇数ピッチが私、偶数ピッチがK氏と打ち合わせる。

 

 

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1P目Ⅵ級

ランニングのとりかた下手すぎて笑ってしまった。反省。シングルロープ難しい。

出だしから細かいホールドにじわりじわり乗って、フレークガバっとつかんでレイバック。ここが核心か~~。って思っていたけど右に左にレイバックするムーブが3回ぐらい出てきた。2か所ほど悪い所があったのでA0してしまった。ボルトはそれなりにあるので良かった。

 

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手も足も出ないとはまさにこのこと



2P目Ⅶ級。

RCCグレードのⅦ級とか登ったことないんですけど・・・・。

ビレイ点からオブザべするも全くわからない。ホールドがなさすぎる・・・。

ひとまず1ピン目かけてムーブを探る。ビレイしながら観察するもよくわからない。

K氏はヒールフックを決めてデッドで取ったけど、そんなムーブ無理~~。

そこからも落ちたりテンションしたりを繰り返して何とか突破。

 

フォローで自分が登る。

見た目以上に意味が分からない。持てそうなリップに手をかける。つるつるで持てる気がしない。左手側にある凸角に手をかける。つるつるで持てる気がしない。

右足に細かいホールドがあるので立ちこんでみる。次の足が出せない。

しばらくもじもじしてもいける気がしないのでボルトを踏んでヌンチャクを握る。

が、それでもなお行ける気がしない。

ガバ気味のカチをもって体を上げようとするも力尽きてフォール。

ヌンチャクもってA0で抜けようとするも、体を上げれず3回ほどフォール。

 

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A0でも抜けれず途方に暮れる。

マジで登れる気がしないのでユマールで核心部はユマールで抜けた。

買ってよかったマイクロトラクション♪

 

このトポによるとⅦ=5.10c換算らしい。

一応自分も外岩では(1本だけだけど)5.11a登ってるし、人工壁で5.11bは登れている。にも拘わらず全く歯が立たなかった・・・。10後半なら少なくともA0すれば登れるつもりではいたが、ボルト踏んで、ヌンチャク持ってもまるで登れる気がしなかった。

10c以上は全部Ⅶ級?でもデシマルグレードで表記もしてるしなぁ・・・。謎です。

少なくとも5.11a/b~cはあるんじゃなかろうか?鍛えなおさねば・・・。

 

2P目の後半から通常のニードルのルートと合流する。いつもは松でピッチを切っていたが枯れて信用できなかったので1段上のボルト+カムで支点を作る。

 

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3P目をリードする私

 

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ニードルの頭直下。高度感のあるクライミング

3P目(はフォローで2回登っていたが初めてのリード。

クラックから高度感のあるフェースへの乗り込みビビってドギマギしちゃうけどばっちり決めた3番のカムを信用して乗り込む。そこから適当にカムを決めながらニードルのピークへ。これでようやくニードルの頭への全ピッチをリードで登ることが出来た。

 

裏側のコルに懸垂下降してテラスで小休止。

 

 

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4P目のボルダームーブ。なかなか悪かった。

4P目(Ⅴ級)下部はボルダームーブ。結構悪かった。

5mほど上がるとバンドにでてブッシュをトラバース。浮石がありひやりとした。

 

 

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5P目

5P目(Ⅴ級)

下部はホールドがある。凹角からフェイスにのっこす。逆層ながらも探せば細かいホールドがある。中部はシンハンド。なかなか楽な姿勢を作れずカムを打つのに苦戦した。

上部はボロボロのフレーク。3番のキャメロットが決まりそうな感じだったが浮いてそう。下部~中部で1番以下のカムを使用して球数が少なくなったので、2か所ほどトライカムで支点を取る。ハーケンも打たれているが老朽化しており気休め程度。浮石も多く本チャンのようなピッチだった。

 

6P目(V-)

K氏リード。ハングを通すようにボルトが打たれている。悪いガバを持ちながらキョンを決めてのっこす。初めてマルチでキョンとか使った。

そこから消化試合かな~と思ったが、地味~~に悪い。以前サマーホリデイ83の2ピッチ目の終了点から合流し、階段状のスラブを登りTO.

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Aピーク直下のウイニングロード

 

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今回使った装備。シングルロープでのマルチピッチは初めてだった。

ロープトラブルが少なくなる、操作が楽になる反面、流れが悪くなったり落石等で損傷したときのリスクが大きくなる。ダブルロープとのメリットデメリットを理解して使い分けていきたい。なるべく無駄な装備を省いてリードは空身でフォローがザックを担ぐようにしたが結構よかった。

 

 

感想

今までのマルチはⅢ級等と、すいすい登れることが多かったが、今回は一番やさしいピッチでもⅤ-。全ピッチフォローでもリードでもシビアなクライミングとなった。

フェース、クラック、スラブを始めレイバックやヒールフック、キョンなどダイナミックなムーブを要するルートでフルコースで満腹。充実感あふれるクライミングでめちゃくちゃ楽しかった。

 

2P目はユマールしてしまったので次はフリーで(せめてA0で)抜けれるようになりたいです!!!と、思う反面、技術の引き出しは大事だな~~と思いました。

 

鉾岳 大長征ルート

先日の剱岳の帰路で

「そういえば来週22日休みなんだけど」

との会話から決まった鉾岳(雌鉾)/大長征ルート。

ちなみに大長征ルートというルートがあるわけでなく、下部6Pは"美しいトラバースルート"、トラバース2Pを経て、大滝左ルートの上部2Pに接続している。

雌鉾の約300mのどでかい花崗岩のスラブを左下から右上へ抜けていくルートだ。

 

なお、この周辺のエリアはランナウト系で有名?で、wikipediaにも記載されている。

 

国内のフリークライミングエリアでこうしたランナウトに極端なものは少ないと言われているが、宮崎県北部の花崗岩のスラブの岩場(比叡山、広タキスラブ、雄鉾岳など)では、20メートル以上もランナウトするようなルートが珍しくない。大きくランナウトするルートは恐ろしいが、それだけに完登した際の喜びは単なるスポーツの域を越え、むしろ冒険のそれに近くなる。

 

フリークライミング - Wikipedia

 

鹿川キャンプ場駐車場(07:30)→取付き(08:05/08:20)→中央バンド(10:45)→終了点(12:25/12:40)→駐車場(13:40)

 

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前日20:00夕食を取り、取り付き付近の駐車スペースで仮眠をとる。

軽バンに買い替えてよかったと本当に思う。

 

06:30頃起床。予定のはずだったが05:30頃に目が覚める。気温は低い。10度前半だろうか?シュラフにもぐり、時間がたつのを待つ。朝食を取りコーヒーを飲んでいると鹿児島から3名の仲間が到着。コーヒーを急いで飲み干し、鹿川渓谷キャンプ場の駐車場へと車を走らせる。10分ほどで到着。

僕「ヌンチャク何本持っていきましょう?」

K氏「(相方の3本に加えて)5本あれば十分じゃない?ボルトないし。」

僕「(ですよねえ。)」

という事で装備を整え、駐車場出発。

ちなみにカムの0.3番が欠番していたことをとても後悔しました。持って行っとけばよかった。

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駐車場横の舗装路から取付きに向けて歩みを進める。目的の鉾岳を望む。

 

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靴を履き替え、クライムオン。

一見すると下部はねてるし、大したことないな~~。と思っていましたが・・・

案の定ランナウト。1P30~40mほどだがボルトが2,3個しかないし、カムを決めれるようなクラックもない。リードとフォローの気負いが違いすぎる。

 

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これだけロープだしてハンガーは3つほど。恐ろしい。

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8-10mほど登るが支点はなし。カムでも取れない。
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小指の先ぐらいしかないようなスタンスや、微妙な起伏を探して足を置いていく。

ここのトラバースが一番緊張した。もし落ちたら・・・・大根おろしだ。

フォローもリードも関係なく落ちたら卸されるので緊張が半端なかった。

ちなみに相変わらずここも2~3本ぐらいしかハンガーはありませんでした。

 

 

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よいスタンスを見つけて余裕をかます僕(実際は超怖かった)

 

 

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リードするK氏(左)と僕(右)

デカい岩は一の坊主

いやらしいバンドのトラバースを越えると大滝左ルートに接続する。ここからが一応核心ピッチ(自分はトラバースが核心に感じた。)ピッチグレードは5.7(V+)。

今までに比べると比較的ボルトが打たれている。とはいうものの下部~中部に2本、核心ムーブ手前に1本あるだけだが・・・。程よくフレークがあり、2本ほどカムを決めることが出来たのは良かった。

 

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そのあとはなんてことないトラバースを経て、クラックを登り終了点に至る。

 

 

 

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初めての鉾岳!

 

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終了点から50mの懸垂下降。左手側のバンドへ降りる。
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バンド(左)を進むと、フィックスロープが設置されている。
これをたどると30分ほど取付きへ。もう30分ほど歩いて駐車場。

 

所感

常々鉾岳はランナウトのイメージがあった。グレード的には大したことないが、支点のとれなさから緊張して体がこわばってしまう。

今回はパートナーから「核心ピッチはリードしてほしい」とのことだったので、やらせていただいた。小指の先のような小さいスタンスに乗り、極薄のカチに指をかけジワリジワリと高度を上げていく。核心の乗越?の手前でカムを決め、またボルトがあったため思い切ったムーブを出すことができた。

もしもっと支点があれば(精神的に)簡単なんだろうとは思うが、それだとこのルートの魅力が大幅になくなってしまうとも感じた。でも、あと1年はランナウト系のクライミングは良いかな・・・。って思いましたw

あとミウラーは偉大。粒に乗れる。

 

使った道具

カム:0.75,1,3.(0.3を持ってくればよかった!)、ヌンチャク、120cmスリング×2、ヌンチャク8本

 

剱岳 チンネ左稜線

「来月屋久島の沢行かない?」

先日一緒に上の小屋谷を遡行したK氏からの連絡が全ての始まりだった。

当初は屋久島を、九州を代表する宮之浦川を目標にして事前準備を着々と進めていった。

入渓予定は9/14-16日。

12日時点天気予報だと秋雨前線が屋久島の上空に停滞し、警報レベルの雨予報になっている。K氏と連絡を取り、「13日朝時点で好転しない限り剱岳のチンネに行こう」と打ち合わせる。

13日朝。天気は依然変わらず。剱岳への転身が決定する。

沢登り用のパッキングをしていたため、アルパインライミング用のパッキングに切り替える。

 

行程

13日

家発(18:00)→高速基山着。K氏と合流する。(21:30)

 

14日

三方五湖PA着。1時間ほど仮眠をとる。(05:00/06:00)→馬場島登山口着(09:40)→早月小屋着(14:00)

 

15日

起床(01:00)→出発(02:15)→カニのはさみ(04:45)→剱岳山頂(04:55/05:25)→池ノ谷乗越(06:20)→三ノ窓(06:50)→チンネ左稜線取付き(07:20/07:40)→終了点(13:10/13:30)→池ノ谷ガリー(13:50)→池ノ谷乗越(14:10)→剱岳山頂(15:30)→早月小屋(17:40)

 

16日

起床(04:00)→出発(05:30)→馬場島登山口(07:50)

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参考までにGPSログ

使用した道具

ヌンチャク10本、カム1セット(0.3-2)、アルパインクイックドロー4本(120×2,60×2)、

支点構築用180cmスリング、環ビナ

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登山口で装備の打ち合わせ。"試練と憧れ"の文字で気が引き締まる。

 

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コロナのため、早月小屋が休業していたため、水6L+酒1Lを担ぐ。登攀装備含めて約25kg。肩にずしりと重くのしかかる。

大きな樹木に癒されながらもゆっくりと、確実に高度を上げ14:00に早月小屋に到着した。

歩荷の疲れだけでなく、前日の移動の疲労もあったためテントを設営し夕食を取り17:00頃就寝。

 

15日

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01:00に起床。朝食はカレーメシをポテトフレークスで嵩上げしたもの。これがなかなか良かった。テントから顔を出すと昨日のガスがきれいに晴れていて、星が見える。これは期待できそうだ。装備を整え、02:15出発。しばらくヘッデンを頼りに歩く。

北方稜線へは日が昇ってから取付きたかったので、のんびり休憩しながら歩いてゆく。

 

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カニのはさみもヘッデン頼りに越えてゆく。

 

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ちょうど剱岳山頂付近で夜が明け始める。雲海と朝焼けに感動し、泣きそうになる。

私にとっては初めての剱岳登頂。それもこんな絶景が待ち受けてくれてくれた。

 

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ご来光

剱岳登頂に満足したところで、今回の目的のチンネに向けて気持ちを切り替える。

歩みを進めていくうちにご来光を望む。今日の行程が長引けばヘッデン下山になるのでモバイルバッテリーで充電しておく。

 

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 北方稜線から池ノ谷乗越へ。時折ハーケンが残置されていたが慎重にクライムダウン。意外と踏み跡が明瞭で大きくタイムロスすることはなかった。

 

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左:池ノ谷ガリー 右:小窓の王

池ノ谷ガリーはガラガラで一度落石を起こすとそれが呼び水となりさらなる落石を誘発する。ここも踏み跡がついており、それを丁寧にたどれば落石は防げた。

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池ノ谷ガリー。写真中央が池ノ谷乗越。

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三ノ窓からチンネの取付きを望む。左下の逆4字が取付きだ。

 

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雪渓は薄い。簡易アイゼンを装着し雪渓を渡る。

 

 

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2個目の雪渓。状態がかなり悪く、上部は厳しそう。

左岸の草付きを下降し、雪渓の下部からトラバース。取付きまでもう数百mのところだったが、意外と時間を要してしまった。

ロープを結び、クライミングシューズを履いて07:40クライムオン。

 

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1P目は私リード。凹角を行く。

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2P目。K氏リード。
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3P目。私リード。

3P目はⅡ級のやさしいピッチ。だったものの終了点を見つけ切らず、誤ったルートを進んでしまう。おそらく4P目の隣のルンゼに紛れ込んでしまった・・・?

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このルンゼは間違い?ピッチを切るべきだった?

トランシーバーも誤作動でチャンネルが切り替わっており交信できなかった。

50mいっぱい出してピッチを切る。その後K氏リードでルート復旧する。

ご迷惑おかけしました・・・。

 

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5P目の草付きリッジ

5Pの草付きリッジは快適に進める。高度感のある写真を撮っていただいて感謝。

6~7Pは快適なフェースを登る。

 

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左:7P目スタート 右:終了点。林立するピナクルを望む。

ピッチ自体は易しかったが、また終了点を見誤り手前でピッチを切ってしまう。5m先にハーケンが連打されておりそこが終了点だった。

 

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フォローで登る。右手にはブロッケンが。

8P目K氏リード。自分が7Pの終了点を手前で切ってしまい、ロープが足りなくなったこと、核心ピッチをK氏がリードすることを考慮し、8Pの途中でピッチを切る。

 

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チンネ名物の鼻、クレオパトラニードル

 

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被りをうまく処理し、核心を越える。

核心部の鼻。話では「かぶりをいなすイメージ」と聞いていたが本当にその通りで体感では被っていなかった。細かいホールドをつなぎながら登ってゆく。

 

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10P目。足がむくんできて痛くなってくる。クラックにフットジャムを決めたり、左右に重心移動して処理していく。意外とテクニカルで楽しかったピッチ。

 

11P目。快適なフェース。写真はないです・・・。

 

 

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最終ピッチ。チンネの頭で記念撮影。

12P目フェースを越えるとウイニングロードのような快適なリッジ。13:10登攀終了。

5時間半と良いペースで終えることが出来た。

 

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一緒に登攀した仲間と記念撮影。

 

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チンネの頭からコルへとクライムダウン。懸垂下降を2回交え、池ノ谷ガリーへ至る。そこから北方稜線を戻り本峰へ。

 

 

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15:30頃、2回目の剱岳山頂へ。この時点ですでに13時間以上行動している。

後は気合で早月小屋へ下るだけ・・・。疲れた体に鞭を打ち気合で小屋まで歩く。

 

 

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到着するころ、ガスに包まれた小屋に夕日が射し込み幻想的であった。

美しい夕日を見ながら余韻に浸る。夕食を取り、泥のように眠りにつく。

 

 

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くたくた。お疲れ様でした!

 最終日は04:00に起床し、05:30に出発。無心で歩き07:50に下山。

 

 

総評

  • 天候に恵まれ最高の登山だった。下山時もほぼガスが出ておらず、一面雲海を望むことが出来た。
  • 本チャンの経験が不十分でピッチの切りどころを誤ってしまった。マルチピッチだとハンガーが2本打たれているし、沢だと何もないし・・・。良い経験になりました。
  • 今まで培ってきた知識、技術、経験、体力、精神力あってこその今回の山行が出来たと感じる。これらが不足していたらまず"チンネ行こう"とのお声かけすらなかっただろう。これからも精進していきたい。
  •  

最後に、今回の山行を持ち掛けてくれたK氏、ありがとうございました。本当に最高の山行でした。またよろしくおねがいします!!

 

クマガ谷左俣(大野川水系)

2020.08.13 クマガ谷左俣(大野川水系)-本谷山

クマガ谷は2年前に右俣右沢を遡行して以来だった。

当時の登攀も印象深いものであったが、今回は地元で"本谷"と呼ばれるこのクマガ谷左俣。その名の通り本谷山へ突き上げるこの谷を遡行した。

九州の沢と源流(吉川満著)によると"奥岳渓谷一の遡行価値と魅力的な自然"と記されている。

 

 

 

06:30入渓。

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しばらく単調なゴーロを歩く。はっきりってつまらない。飽き飽きしてくる。

ほんとに奥岳一の遡行価値かよ・・・って愚痴を募らせながら歩くw

 

一時間ほど淡々とゴーロ帯を歩き、高度/距離を稼ぐ。

 

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飽き飽きしてきたころに小滝が出てきた。頭から水を浴び爽快だ。

 

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入渓して約2時間。ようやく、くの字20mに出会う。

催してきたので相方にロープを捌いてもらっている間、200gの軽量化に成功した。

 

1ピッチ目相方リード。釜をヘツれるかと思ったが、思いのほか悪く泳いで取付く。

難度は大したこと無いが、プロテクションがとりずらい。

中段まで上がり、立木でピッチを切る。

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2ピッチ目。私リード。

落ち口までは階段状で快適に登る。落ち口を直登しようと試みるも断念。右岸のガリ

から滝頭にでる。

 

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ビレイ点から。フォローの相方が見えるだろうか?

 

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そこから小滝をいくつか越え、1時間ほどでトユ状の滝に出会う。

ラバーソールのフリクションに感謝しながら快適に突破。

 

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上部では気持ちの良いシャワークライミングであった。

 

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快適な小滝をどんどん超えてゆく。下部のゴーロ帯が嘘のように楽しい。

 

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15mの滝?

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滝行w

 

下部は右手から。テラスをトラバースして左手側を登ろうと思ったが・・・

右岸の草付きがめちゃくちゃ悪い。落ちたら割とやばそうだったので、念のためロープを出して高巻く。

 

スラブ状8mほどの滝。私リードで取付く。

1段目のスタンスに立ちこむ。左岸のブッシュとの間にトライカムを決める。

2段目のスタンスに立ちこむ。ここまでは快適だ。しかしホールドがぬめる。

次に足がおけそうなスタンスがなかなかない。ドロドロのブッシュの中にカムの#1を決める。

写真左足のスタンスには立ち込めそうだ。だがバランスが悪い。左手でアンダーを決めながら、右足をじわじわと上げ、体を起こすと、落ち口にスローパーがある。何とか立ち込むことが出来た。めちゃくちゃ痺れた。

この滝、写真では見れないが(取り損ねましたが)2段になっており、上段はトイ状。快適にステミングで上がることが出来た。

 

 

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痺れる登攀の後はまるで日本庭園のような釜で癒される。

 

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原生林がとても美しい。残念ながらニホンカモシカを発見することはできなかった。

ここから徐々に水が細くなる。尾根に上がって縦走路を目指す。

 

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地味~~にきつい登りを終え、本谷山へ。

 

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得てして沢の下山は単調になりがちだが、いやはやさすがは九州屈指の縦走路。きれいな展望に癒されながら下山する。

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アサギマダラがお出迎え。

 

尾平越にデポした車を回収して行動終了。

 

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行動時間8時間。(遡行6時間、下山2時間半)

装備8.6m 30mロープ、カム、トライカ

未使用:ハーケン、ナッツ

 

 

国見岳:上の小屋谷(耳川水系)Day2

前回記録を書いてしまって約1カ月ほどたってしまったが、その続きを記そうと思う。

takayama.hatenadiary.com

 

05:30頃起床。朝食を取る。献立はカレーメシと10種の品目味噌汁。アマノフーズは偉大だ。

 

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ビバーク地。背後に滝を望む絶景スポット

06:30頃出発。沢もほぼほぼ詰めあがり、25m滝を突破すれば実質終わりのようなものだ。以下、写真メインで記そうと思う。

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寝起き一発目の小滝。右岸から快適に上がる。

 

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快適に登れる小滝が連続する。

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2段10m?

パッと見悪そうに見えたが下段は左手側。上段は右手側から登れそうだ。


 

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さすがは12クライマー。ノーザイルですいすいと登っていく。自分は最後の乗越にビビってやや手間取る。

 

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25m滝

本日のメイン25m滝。中部までは行けそうだが、落ち口の水圧に到底耐えれそうもないので巻くことにする。

左岸が傾斜が緩く、楽に巻けそうと思った。木々の奥に白っぽい岩峰が見えるのが懸念されたが・・・・

 

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ずぶずぶの高巻き。バイルや補助ロープを出しながらなんと登る。

 

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チラ見えしていた岩峰にぶち当たり、詰みましたwwww

川床まで下りて対岸を巻く。

 

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ソマ道があり、快適な高巻きだった・・・。さっきのドロドロの高巻きは何だったんだろう・・・という気持ちになりました。

 

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25m滝の巻きを終えると、渓相は一転して穏やかに。ここから林道まではさほど距離がない。快適な沢歩きでクールダウン。

 

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高巻きを終えて30分ほどで林道(登山道)に至る。

ザックをデポし、サコッシュ一つで国見岳山頂を目指す。

 

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緑がとても美しい。木が生き生きとしている。

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1時間強で山頂へ。

2日ぶりの電波で各々生存報告をするw

下山は走りながらで30分程度でデポ地点へ戻る。

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雷坂へつながる林道。緑が美しく癒された。

 

後はひたすら登山道下り。

駐車場までもう少し・・・というところで道がとたんに不明瞭になる。

やぶを漕ぎ分け何とかゴール。

 

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GPSログ

使った装備

50mロープ、カム、ミニバイル

未使用

ハーケン、ナッツ

 

行動時間

Day1:12時間(釣り含む) 7.4km,累計高度(+)1152m (-)557m

Day2:7.5時間 12.3km 累計高度(+)1158m (-)1733m

国見岳:上の小屋谷(耳川水系)Day1

日本三大秘境の椎葉村から九州山地最高峰国見岳に抜ける耳川水系,上の小屋谷を遡行してきました。

普段あまり記録とか書きませんが、遡行された最近の記録もあまり出てこないので書こうと思います。

 

7/29 1800頃

いつもの相棒A氏をピックアップし、大分から57号線-阿蘇を抜け、椎葉村まで車を走らせる。先日の九州北部豪雨の影響で道が崩落していないか心配だったが、入渓点までは崩落個所なし。快適に向かうことが出来た。

23時ごろ入渓点(平瀬橋)到着。廃屋横に車2~3台ほど泊めれそうなスペースがある。ちなみにDocomoはギリギリ電波が入った。星明りの元2本ほどビールを飲み、就寝。

軽バン最強なのでは。

 

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7/30

0600頃起床の予定だったが思いのほか夜が明けるのが早く、5時過ぎ頃に起床。

シュラフの中でしばらくごそごそする。0530頃に目が冴えてきて起床。付近を散策する。

水量は多い。続いていた雨の影響か、普段通りの水量がこうなのか。

普段通っている大野川水系また異なった雰囲気だ。残念ながら私の語彙力では表せない。ぜひ現地にいって感じてほしい。

 

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入渓点横の本流(耳川水系)

 

 

もう一人の相方0620頃もう一人の相方K氏が到着。ガチャやロープの打ち合わせをし、

0640頃スタート。平瀬橋から入渓するとすぐ堰堤がある為、左岸からの林道を行く。

が、道がはっきりしない。踏み跡のような、獣道のような・・・。地形図とコンパスを頼りに不明瞭な道を歩き、30分強。もっと上部まで歩いてもよかったが暑さに耐えきれずに0720入渓。美しい渓相に思わず声が上がる。

入渓のこの瞬間がたまらない。

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さて、この上の小屋谷。日本100名谷に選ばれており、九州を代表する谷である。

厳しい登攀や困難なゴルジュこそないが、遡行距離は約10kmに及び、九州本土ではトップクラスである。岩はラバーソールのフリクションがよく効き、快適に攀じることができる。

 

記録によるとショルダーしたり、空身で登ってともあるようだが、今回はリードで5.12を登る登攀力のそろったメンバー(自分は5.11です・・・。泣)。ガンガンヘツってガンガン登って順調に歩みを進めていく。

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テクニカルで楽しい登りを続けながらも、時折出てくる絶景に癒される。

振り返ると光芒が美しい。2日ほど前に梅雨明けが発表されたばかりでよいタイミングだ。

順調に歩みを進め、標高975m付近。左谷の分岐を越え水量が落ち着いてきた頃合いで竿を出す。

 

大きな釜はなく、小さな釜が連続しているこの沢。ルアーは厳しいか。

直径2メートルほどの釜にルアーを投げてみる。良型がチェイスしてきた。20後半はあるだろうか?もう一度ルアーを投げるがアピールの時間が足りずに食わせきれない。魚は水中の岩陰に身を隠した。ミノーからスピナーに交換。じわーーーと岩陰の前にスピナーを通した瞬間、食いついた。引きが強い。確実に20後半はある。高ぶる興奮を抑えながらなんとかランディング。30cmのイワナを釣り上げた。

九州で数少ないイワナの釣れる沢だ。

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その後もちょくちょく竿を出しながら幕営地まで歩みを進める。

 

12mの滝に出会う。A氏リード。K氏ビレイ。俺氏撮影w

A氏にフィックスを張ってもらい、アッセンダーで登る。

見た目以上にホールドがしっかりしており、快適に登攀することが出来た。

鹿児島のバリバリの山岳会のK氏がいらっしゃるのに、A氏がリードして、私がK氏のセカンドビレイをするというよくわからない状況。

 

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 その後30mの滝を高巻く。

 

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大滝の大物を狙う



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良いサイズが2匹連れた。

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焚火で魚を焼き、いただく。

"沢泊で川魚を焼いて食う"というのを2年ほど前から目標にしていたが、ようやくかなった。

焚火を囲いながら、飲むお酒はおいしい。

 

-続く-

 

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